油はなにを選ぶ? ハゲ・薄毛と油の関係について2

羽田三樹夫
以前常備食ならサバ缶がいいと書きました。サバにはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)という「油」が豊富です。また小型の魚でしかも回遊魚だということもあり、汚染物質の心配が比較的少なくて済むというのも利点です。今日はなぜ「油」なのかというところをもう少し掘り下げてみます。ハゲ・薄毛にとってよくない油、おすすめの油を紹介してみます。
 
 

オメガ6とオメガ3のバランスが大事!

油を考えるときに重要なのは、必須脂肪酸という人間の体内では合成することができないので、食事などからとる必要がある「油」です。これにはオメガ3オメガ6という大きく分けて二つの油があります。

面白いことにこの油はまったく反対の働きをすると言われています。オメガ6は体内の炎症を促進します。また、血液を固める作用もあるので血栓ができやすくなります。これとは反対にオメガ3は炎症を抑制し、血液をサラサラにします。

以前厚生労働省はオメガ6=4に対してオメガ3=1が標準としていました。例えば『サラダ油が脳を殺す』の著者の山嶋哲盛さんは1:1が理想としています。オメガ6の代表選手はリノール酸で大豆油、サラダ油、ひまわり油、ベニバナ油、ゴマ油などに多く含まれています。

オメガ3はさきほどのDHAやEPAが代表選手でほかにえごま油、亜麻仁油なども有名です。オメガ6は野菜にも含まれるためわざわざ油を使ってとる必要がないものです。オメガ6過多に陥っている食生活を続けると様々な疾患の原因になるとわかってきており、バランスが重要だと言えます。
 
 

ポイント!
オメガ6(大豆油、サラダ油、ひまわり油、ベニバナ油、ゴマ油など)→炎症促進、血液を固めるといった作用がある

オメガ3(えごま油、亜麻仁油、魚油)→炎症抑制、血液をさらさらにする

 
 
羽田三樹夫
動物性の油は「飽和脂肪酸」と呼ばれます。これは体内で合成できるため食事からとらないといけないものではありません。油の中で特に気をつけたいのはトランス脂肪酸という油で、これは後で紹介します。


 
 

いかに活性酸素を増やさないかがカギ

AGA(男性型脱毛症)の原因はジヒドロテストステロンという男性ホルモンの一種だと言われています。

ただその発症のメカニズムが完全に解明されているわけではなく、例えば同じハゲやすい遺伝子を継承していると考えられる双子でなぜ、ハゲ方に差が生まれるのかは説明できません。つまりわかっていることはほんの一部で、わかっていないことの方が多いということです。

そこで僕はずっと酸化ストレスというのがポイントになってくると言ってきました。体内で増えてしまった活性酸素は全身の細胞を傷つけるため、ガンや動脈硬化などが起き、老化を進めることがわかっています。重要なのは老化を進めるというところです。

死ぬまでに80%以上の人がAGAになると言われています。老いればハゲるです。いかに活性酸素を増やさない生活をするのかが重要になってきます。

 
 

黒沢月男
AGAの治療はどこが安いかと考える前に老いをどうやって食い止めるのか、というほうが薄毛・ハゲ対策には有効かもしれません!

 
 

錆びが進むと大変です!

そこで、考えなければいけないのが油です。オメガ6とオメガ3のバランスが重要だと言いました。どう重要なのか『サラダ油が脳を殺す』(山嶋哲盛著)に教えてもらいましょう。

 
 

細胞膜中の脂肪酸は、酸化されると「過酸化脂質」という錆びを生み出します。この錆びは消えずに膜内に残り、周囲のリン脂質をどんどん酸化していきます。いわば、錆びが新たな錆びをもたらすという悪循環を引き起こすのです。
ただし、細胞膜の中に、日頃から「錆びやすい(酸化されやすい)あぶら」を注入しておくか、「錆びにくい(酸化されにくい)あぶら」を注入しておくかで、細胞の錆びの程度はずいぶん違ってきます。もうおわかりでしょうが、悪い方の代表がサラダ油で、良い方の代表が魚油です。

 
 

僕の今の食事の基本は蒸すということです。だいぶ減りましたが油を熱するときはオリーブオイルか、ゴマ油を使います。そしてオメガ3の代表選手と言える亜麻仁油を野菜や納豆にかけて食べています。オメガ3は熱に弱いという弱点があるので、ドレッシング感覚で使うのに適しています。
 
 

羽田三樹夫
僕は人生で何度かハゲの危機がありましたが、そのたびに食事の仕方を変えました。加工食品の比率を減らすだけで油の観点からもかなり有効なはずです!
 
 

トランス脂肪酸には特に注意が必要

オメガ6とオメガ3はいずれも必須脂肪酸なので、取らないといけない油です。ただしこうした油とは対照的にまったくとる必要もなく、またとればとるほど体に害を及ぼすとわかってきている「油」も存在します。それが「トランス脂肪酸」と呼ばれるものです。

パンやフライドポテト、ドーナツ、ポテトチップス、クッキー、ハンバーガー、パンケーキ、ケーキ、カップラーメンなど加工食品のあらゆるものにトランス脂肪酸は入っています。ほかにも弁当屋や総菜屋で売られているコロッケや天ぷらなどにもショートニングが入っていることがほとんどです。

ショートニングというのはマーガリンから水と添加物を除いて純度を高めクリーム状にしたものです。このショートニングのもとになるマーガリンはまさに人工的なトランス脂肪酸の塊です。

 
 

黒沢月男
昔は植物由来だからトランス脂肪酸は体にいいなどとされましたが、こんな話を真に受けていると健康そのものを害する恐れもあります。

 
 

トランス脂肪酸に寛容なのは日本だけ

このトランス脂肪酸に日本はひどく寛容ですが、すでにアメリカでは2015年に加工食品中の人工的なトランス脂肪酸を全廃する決定を出しています。

中国や韓国でもすでに加工食品におけるトランス脂肪酸の含有量の表示を義務化していますし、ドイツやデンマークでは日本製のマーガリンは単にトランス脂肪酸の塊だからという理由で販売自体が禁止されています。

トランス脂肪酸に関しては、加工肉と同じかそれ以上に健康に対する害が調査によって明らかになっているので、こうしたものを積極的に排除していくことが得策です。もちろんハゲ・薄毛界隈の人間がトランス脂肪酸を遠ざけるべき理由というのは細胞の酸化を進めるからです。酸化が進むとどうなるかもう一度記しておきましょう。 そうです。老化が進む! です。

 
 

羽田三樹夫
活性酸素を発生させる原因として紫外線、自動車の排ガス、食品添加物、残留農薬などがあります。ほかに薬と喫煙もそうです。僕の友達にAGA治療薬をコーラで飲んでいる愚か者がいますが、これはとても治療とは言えませんね。
 
 

まとめ

油の選び方によっては細胞の酸化を進めてしまいます。ハゲ・薄毛にはこれが致命傷になる可能性があります。だから油には特に気を付けるべきだということになります。

一つは、トランス脂肪酸をとにかく遠ざけること、一つはオメガ3を意識してとることです。魚を意識してとることはもちろんですが、亜麻仁油えごま油などの生鮮食品に分類される油をとることが重要になってきます。

ハゲ・薄毛の対策となるとすぐに高額の育毛剤に目がいきがちです。ただし結局あなたは食べたもので成り立っています。口に入るものに一番金をかけるという視点が必要です。
 
 

羽田三樹夫
例えば、酸化がより遅いオメガ3の油に金をかけることも立派な薄毛対策です!

 
 

 
 
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ブログ『健康オタクが教える薄毛防止法』髪の悩み相談室登場人物
髪の悩み相談室室長・羽田三樹夫……24歳のときに洗髪だけで200本抜けるという恐怖体験を8か月経験する。そのときから生活習慣の改善に重点を置いた「薄毛にならない対策」をはじめる。父親はハゲ、父親の父親(=祖父)もハゲ、父親の兄(=伯父)もハゲ、母方の祖父もハゲ、父方の親戚にかつらの戦士がいるという「華麗なるハゲ一族」の出。遺伝を考えれば絶望的にかかわらず、42歳になった今でも「ハゲでない」状態をキープしている。
黒沢月男……30歳から生え際が後退しだし、ごまかしが効かなくなっている35歳。薬に頼るかどうか真剣に思案中。
雫まゆみ……旦那がずるむけのハゲ。旦那が育毛剤その他のヘアケア商品の購入のためだけに金を使うのでそのことでしょっちゅう喧嘩をしている。ハゲを見るだけで最近気分が悪くなる。