その薬の副作用本当に大丈夫? 男性型脱毛症(AGA)~フィナステリド編~

僕は人生で2度「ハゲの影」におびえたことがあります。

「ハゲの影」というとなんだか安物の推理小説みたいですが、ようするにはげかかったということです。

一度目は、24歳のとき、洗髪だけで200本の抜け毛が8カ月も続いたときです。
このときは、リーブ21に通って、食生活を含めた生活習慣をすべて見直すことでなんとか乗り切りました。

2度目は、38歳のとき再び抜け毛が200本近くに達することが多くなり額が一気に1センチ後退するという、恐怖を味わいました(ほくろの位置調べ)。
ただ、この時も、再び生活習慣を改善することで乗り切りました。

この間、特に2度目に関しては、フィナステリド(商品名プロペシアなど)に頼ろうと何度考えたかわかりません。

しかし、僕はその都度誘惑に打ち勝ち、ほぼ生活習慣の改善だけで「ハゲてない状態」を保ってきました。

この薬に頼らずに生きていくという考え方は今でも変わっていませんし、これからも変えるつもりはありません。

正直に告白すると、2度目の危機のあとにミノキシジルの外用薬(頭にかけるタイプのものです)に手を出して、とんでもない副作用を経験してからこの気持ちをより一層強くもっています。

このブログでは何度も触れてきたことですが、僕自身は親父がハゲ、おやじの親父(=祖父)もハゲ、おやじの兄貴(=伯父)もハゲ、母方の祖父もハゲ、という「華麗なるハゲ一族」の出です。

つまり、そのハゲ予備軍の僕が出した危機に対する答えが2度ともに生活習慣の改善だった、ということになるわけです。

なぜ、フィナステリドやミノキシジルの内服などの薬に頼るということではなかったのか、なぜ僕が薬に頼らないと決めているのか、副作用にビビりまくっている、その小心の胸のうちをここで書いてみたいと思います。

AGA治療の現状

今、薄毛(特に男性型脱毛症)の「治療」はフィナステリド内服とミノキシジルの外用薬を組み合わせるというのが基本です。
(なお、そもそもハゲの薬ではないミノキシジルの内服は論外です。自分で自分を実験道具にしているようなものです)

このうちフィナステリドというのは5α-還元酵素の阻害薬のことです。

テストステロンという男性ホルモンが5α-還元酵素と結びつくことでジヒドロテストステロンができます。

このジヒドロテストステロンが薄毛に影響しているというのがわかってきたので、その生成を阻害しようというのが理屈です。
(5α-還元酵素には1型および2型があり、プロペシア(フィナステリドの商品名)は2型のみ、「ザガーロ」は1型および2型を阻害する薬です)

このフィナステリドの服用によって、男性型脱毛症98%の人に効き目がある、という結果まで見ることができます(『医療的育毛革命』/佐藤 明男著より)

加えて副作用は「きわめて軽微である」と今の段階では言われています。

薄毛が改善されて、しかも「副作用が軽い」ということなら万々歳ですね。

何の文句がある? と逆に問い返されてしまいそうです。

ただ、例えば、こういう英語の文章を読んだ後でも、あなたは同じように平然としていられるでしょうか?

フィナステリドの副作用は本当に気にしなくていいの?

僕は、薬の副作用を調べるときに、よくNCBI(アメリカ合衆国の国立衛生研究所 (NIH) 下の国立医学図書館)で検索できる論文のサマリーを拾っています。

フィナステリドについていえば、日本語でも今は多くの情報を目にすることができますが、以下のような事実については、僕は英語で拾って初めて知りました。

あなたには当たり前の事実でしょうか? 「Drug-induced gynecomastia」(Bowman JD1, Kim H, Bustamante JJ.)というタイトルが付いている短い文章から最初の部分を引用してみます。下につけた稚拙な日本語は僕が付けたものです。
 
 

gynecomastia

Drugs account for about 20%of gynecomastia cases in men. As a number of factors can alter the estrogen: androgen ratio, several pathophysiologic mechanisms are associated with drugs causing this disorder. Antiandrogens, protease inhibitors, and nucleoside reverse transcriptase inhibitors are the most common drug causes of gynecomastia,~
※gynecomastia女性化乳房
※estrogenエストロゲン。エストロン、 エストラジオール、エストリオールの3種類からなり、ステロイドホルモンの一種。女性ホルモンとも呼ばれる
※androgenアンドロゲン。ステロイドの一種で、生体内で働いているステロイドホルモンのひとつ。男性ホルモンとも呼ばれる
※pathophysiologic病態生理学の
※Antiandrogens抗アンドロゲン薬
※protease inhibitorsプロテアーゼ阻害薬。HIV/AIDSなどに対して使われる
※nucleoside reverse transcriptase inhibitorsHIVに対して使われる抗ウイルス薬

男性における女性化乳房は薬に起因するものが20%を占める。エストロゲン(女性ホルモン)とアンドロゲン(男性ホルモン)の比率の変化はさまざまな要因が考えられるため、この疾患にはいくつかの薬が関わっている(と考えられる)。抗アンドロゲン薬、プロテアーゼ阻害薬、HIVに対して使われる抗ウイルス薬がその最も一般的な女性化乳房の誘因である。

 
 

「gynecomastia」というのは文中にも注釈をつけましたが「女性化乳房」のことですね。

要するに薬が「女性化乳房」の原因の20%を占めていて、その最もたるものの1つが「antiandrogens」だということです。

この「antiandrogens」というのは上の注釈にも記したように「抗アンドロゲン薬」のことで、まさにフィナステリドがこれに当たります。

一応断っておきますが、女性化乳房というのは、胸がスポーツ選手のようにたくましくなることではありません。

その名称のとおり、女性の乳のように少しエッチになる❤ということです。

これ、本当に軽微な副作用ですか?

鏡で見た自分の乳がいつも吸っている彼女の乳のようになっていたら、それが軽い副作用と言えますか?

「まあそういうことも薄毛のためなら仕方がない」

となりますか?

僕だったら、意味もなく夜中にジョギングするレベルには動揺すると思います。

病院に行くという選択の本当の意味

今、薄毛の治療は病院に! というのがなかば常識のように言われています。

僕のようにリーブ21に通ったことがある、などと正直に告白すると頭の足らない人間のような扱いを受けることだってあります。

例のエビデンスっていう言葉を知らねえの?というやつですね。

「病院だから安心!なんだろ?」というわけです。

ただし、安心ということで言えば、病院に通っているから安心ということには絶対になりません。

それは、病院が薄毛を改善する「薬」を出すところだからです。

薬には必ず副作用があります。

薬を使った結果、あなたのおっぱいが、あなたがいつも吸っている彼女のおっぱいのようになることだってあるというのが安心な治療のわけがありません。

だから、安心ということだけで言えば、育毛サロンのほうが安心に決まっているんです。

もしくは、僕のように生活習慣の改善のみに集中することの方が安心に決まっているんです。

そもそも、薄毛、ハゲというのは疾患ではありません。単なる症状です。

そこに医者が介入してくるのは、この薄毛、ハゲの分野というのは、男性の関心が特に高く、ゲスな言葉を使えば金になるからです。

お医者さんも、分野によって安泰なわけではもちろんありませんし、国家資格にあぐらをかいて左うちわで、なんてわけにはいかないわけですね。

研究者という肩書を持っている大学の先生だってもちろん一緒です。

今、薬による正しい治療が「胡散臭い」と言われる育毛サロンを圧倒しているというのが薄毛業界の現状ですが、食い扶持を求めて医者がこの分野に進出してきている、というのがこの勢力図の正しい見方です。
(うがちすぎでしょうか?)

生活習慣の改善以外にしたことと言えばシャンプーを変えたことです!

治療の結果を引き受けるのはあなた自身です!

ハゲに出されるフィナステリドは元々前立腺の薬として使っていたものを容量を変えて転用しただけです。その前立腺に対して使われた際の副作用として、同じくNCBIにて「Finasteride treatment and male breast cancer: a register‐based cohort study in four Nordic countries」(※観察人年1365088person yearsの調査―引用者注)というタイトルのサマリーを拾うことができます。In conclusion(結論としては)の後の部分には下のような文章が続いています。
 
 

In conclusion, a significant association between dispensed finasteride and MBC was identified. However, due to limited data for adjustment of potential confounding and surveillance bias in the present study, further research is needed to confirm these results.
※MBC男性乳がんの危険性の上昇

結論としては、フィナステリドの服用と男性乳がんのリスクとの間には有意な関係が認められる。ただし、この研究では潜在的交絡因子と監督バイアスの調整という面でデータが限られているため、こうした結果を確定させるにはさらなる調査が必要である。
 
 

数値に影響を及ぼしうる因子があるため、さらなる調査が必要とはいえ、フィナステリドの服用と男性乳がんの発生において有意な関係が認められる、としています。

バイアスの存在について言及されていますし、事実最近その因果を否定するデータもだされています。だから、この調査を持って即、フィナステリドはやばい!とはならないと言えます。

ただ、同時に怖い副作用がまったくない、「だから」副作用そのものから解放されるということではもちろんありません。

フィナステリドで得られた効果は使用をやめれば失われてしまいます。

ハゲが多少改善しても服用をやめた途端に元に戻ってしまうということです。

元に戻るだけならまだいいですが、加齢している分を考えればまず前の状態より悪くなることは必然です。

仮にあなたが30歳で70歳まではハゲの治療を継続したいと思ったら、この薬を40年間飲み続けなければならないということです。

ホルモンに関わる薬を40年です。

それも命の危機がある疾患ではない「ハゲ」を改善するために、です。

これ本当に大丈夫ですか?

医者に行って、副作用が出ました、先生から、
「では服用をやめましょう」
と言われました。

僕にはこのどこか安心なのか、まるでわかりません。

また、例えば海外で多く発表されてきたフィナステリドと乳がんの関係、フィナステリドと前立腺のガンの関係をあらかじめ、入念に説明するお医者さんはいるのでしょうか?

少なくともそういう研究が海外にはある、ということくらいは伝えてくれるのでしょうか?

世界中で、確認されている研究をつぶさに目を通して、それを丁寧に解説してくれる、親切なお医者さんももちろんいるでしょう。

ただし、わかりきったことは、薬の服用の結果を全て引き受けなければならないのはほかならぬ、あなた自身だということです。

僕は隠すところのない小心者なので、「薄毛を治療するために」薬を使うことはとても怖くてできません。

髪は血余と言われます。

体にいいことを律儀に選んでいくことが、そのまま髪の健康につながるという考え方が一番僕には安心で最善の薄毛予防法です。

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