
17年間アミノ酸系のシャンプーを愛用していました
ハゲ界隈の人間に支持されているシャンプーはアミノ酸系のシャンプーです。これは高級アルコール系と呼ばれるシャンプーよりも界面活性剤の洗浄力や毒性が弱く、比較的肌にいいとされています。有名な美容師を前面に立てて売り出しているようなシャンプーは大抵このアミノ酸系のシャンプーです。
僕も24歳のときに洗髪だけで200本抜ける状態が8か月続くという恐怖を味わってから40歳を超える歳まで17年間、このアミノ酸系のシャンプーを使い続けました。ただし今は、防腐剤が入っているという理由でやめています。

防腐剤は常在菌を殺してしまう
シャンプーは湿気の多いところに置いておくので、当然腐る心配があります。数日たって使い物にならないのであればそれこそ売り物にならないということになってしまいます。そこで防腐剤の出番です。これをぶち込んでおけばちびちびと数カ月にわたって使い続けても、狙った頭皮への「効果」を持続させることができます。
ただここに落とし穴があります。防腐剤は頭皮の常在菌を殺してしまうことがわかっているからです。僕がアミノ酸系のシャンプーをやめて石けんに変えた理由はズバリこの常在菌を守るためです。

常在菌を殺すと皮膚が本来の働きがなくなる
常在菌が人間の健康にとって重要な役割を担っているらしいということが最近少しずつわかってきました。例えば、腸内環境を整えれば免疫を高めることができるという話は、ようするに腸内に住んでいる菌(=常在菌!)が重要だということです。
ビフィズス菌やラクトバチルス菌は乳酸菌と総称される菌です。これは善玉菌と呼ばれていて働きがいい菌の代表的な存在です。その働きの一端は例えばこういう文章から知ることができます。今日の重要なテーマである常在菌を扱っている『人体常在菌のはなし』(青木皐著)から引用してみます。
一般的に、酸、特に乳酸を出すものを総称して乳酸菌とよんでいる。炭水化物を消費して乳酸をつくり、腸内の環境を酸性に保つ。結果として多くの病原菌が腸内に侵入してきても、それを排除する役に立っている。腸内の有害物質の掃除をし、ビタミンB群などをつくり、人間にとって有益な働きをしてくれる菌たちである。
ポイントは腸内の「環境を酸性に保つ」という部分です。これと同じ役割を皮膚表面でしているのが表皮ブドウ球菌です。この菌がよく働いてくれれば皮膚表面を酸性に保ち結果的に病原菌が悪さをすることを防いでくれるというわけです。表皮ブドウ菌の大切な役割も『人体常在菌のはなし』が教えてくれます。
先述したように、しっとりつやつや肌に多く棲む表皮ブドウ球菌の産生物質は弱酸性であり、皮脂の脂肪酸とともに、皮膚表面を弱酸性に保つ。病原菌の多くはアルカリ性を好むから、弱酸性に保たれた皮膚に付着しても、そこで増殖したり皮膚内部に侵入したりはできない。つまり、皮脂と表皮ブドウ球菌の産生物質は、皮膚のバリアの役目を果たしているのだ。
この文章を読めばそもそも何もしなくても「常在菌」を大切にしてやれば、頭皮を健康に保ってくれるとわかります。つまりわざわざシャンプーを使うまでもなく頭皮にはそういう機能が本来あるということです。それを担っているのが「常在菌」です。
上の文章からは皮脂の役割も確認できます。この点で皮脂を悪者に仕立てあげること自体が間違っていると言えます。問題になるのは皮脂を放置した結果できる過酸化脂質です。これを洗い流さないと炎症を起こす可能性があります。だから洗う必要はあります。ただし過剰に洗う必要はありません。食器用洗剤と同じ成分で洗ったり、余分な着色料や香料、そして防腐剤などを常用していれば、頭皮にとって大切な常在菌も一緒に殺してしまうことになるからです。

信じる者だけが救われる!
髪の毛の悩みはとても深いものなので、「育毛」や「発毛」の分野で「刺さる」商品を開発できればそれこそ企業のドル箱になります。だから皮脂やフケを過剰に悪者にして叩くとことが起こったりします。
今日見たように、人間の肌というのは本来保湿の役割もあるし、かぶれたり、ニキビができたりしないような自浄作用がちゃんと備わっています。
実は「育毛」で大切なのはこういう自然に備わっている「皮膚の力」を余計なことをして壊さないようにすることです。
戦前、シャンプーがなかった時代にハゲが多かったという話は聞いたことがありません。逆に「性能のいいシャンプー」が登場してからハゲが増えたという話ならいくらでも聞くことができます。
あなたも一度「皮膚が持っている自浄作用」を信じてみてはどうでしょうか?

面白いと思ったらポチっとお願いします!↓
育毛・発毛ランキング


