カレーを食べることは髪にはいいのか?

羽田三樹夫
カレーが認知症の予防にいいと言われています。2006年に発表された疫学調査の結果を根拠にすることが多いようですが、育毛という観点からはカレーは効くのでしょうか?今日はカレーと薄毛の関係を探ってみたいと思います。

 
 

ポイント!
●カレーをよく食べる人の認知機能テストの結果がよかった
●市販のルーがよいのではなく、カレーに含まれるクルクミンがいい
●脂っこい食事は薄毛を招くので注意が必要!
 
 

カレーが認知機能にいい!という結果が出ている

黒沢月男
カレーって結構前から認知症予防になるって注目されていますよね。
羽田三樹夫
シンガポールの調査でカレーをよく食べる人の認知症のリスクが少ないという結果が出たっていうんだろ?
黒沢月男
認知症に効くんだったら髪にもどうだ? って思いたくなりますけど。
羽田三樹夫
それに関しては否定的だな。
黒沢月男
またどうして?
羽田三樹夫
市販のルーを使ったものを週に何度も食べるというのなら、それは髪には返って悪影響があると思う。
黒沢月男
認知症に効くのに?
羽田三樹夫
お前、カレーを食べた後の鍋って洗ったことないの?
黒沢月男
ありますよ。
羽田三樹夫
どうなっている?
黒沢月男
そりゃベトベトですよ。
羽田三樹夫
そうだよ。そのベトベトっていうのはなんでベトベトなの?
黒沢月男
油でベトベトなんですよ。
羽田三樹夫
そうだよ。カレーって香辛料から自作してみるとよくわかるけど油を大量に入れて動物性の出汁をしっかりとらないと味に深みが全然でないんだな。出汁を入れ忘れた味噌汁みたいにすかすかの味にしかならないんだ。市販のルーに入っているのはどんな油なの?
黒沢月男
大抵「植物油脂」って書いてありますね。
羽田三樹夫
そう。そういう油を摂りつづけているとどう考えても健康によくないし、髪にもよくないっていうのは以前記事に書いた通りだ。
黒沢月男
でも一方で認知症には効くんだからっていう期待が出てきますよね。
羽田三樹夫
シンガポールの調査っていうのは2006年に発表されたもので、カレーをほとんど食べない(=never or rarely食べないか、もしくは6カ月に1回未満)、時々食べる(=occasional 6カ月に1回以上、1カ月に1回未満)、よく食べる(=often 1カ月に1回以上、1週間に1回未満)、とてもよく食べる(=very often 1週間に1回かもしくは毎日)、という風に分けて調べているんだな。よく食べるカテゴリー(よく食べるととてもよく食べるを合算したもの)の人が認知機能や記憶機能を測るテストの結果がよかったということなんだ。

 
 

1010人(中国人、マレー人、インド人)を対象にした調査です!(→『Curry consumption and cognitive function in the elderly』Am J Epidemiol 2006;164:898-906.)
ポイント!
よく食べる(=often 1カ月に1回以上、1週間に1回未満)と、とてもよく食べる(=very often 1週間に1回かもしくは毎日)グループの認知機能の成績がよかった!

 
 

黒沢月男
何人くらい調べているんですか?
羽田三樹夫
1010人を対象にしている。
黒沢月男
認知機能にはどうやらいいという結果が出ていると。でも市販のルーに含まれる大量の油のことを考えると否定的にならざるを得ないと。
羽田三樹夫
カレーと一言でいうけど、カレー粉に含まれる成分であるクルクミンがいいと言われているんだな。市販のルーに入っているすべての成分を指しているわけではないはずだ。事実シンガポールの論文でも、書き出しのところで次のように書いてある。

 
 

Curcumin, from the curry spice turmeric, has been shown to possess potent antioxidant and antiinflammatory properties and to reduceβ-amyloid and plaque burden in experimental studies, but epidemiologic evidence is lacking. The authors investigated the association between usual curry consumption level and cognitive function in elderly Asians.
※Curcuminクルクミン。ウコンの主要成分
※antioxidant抗酸化物質
※antiinflammatory抗炎症の、抗炎症薬
※β-amyloidアミロイドβ。アルツハイマー病に関与していると言われる
※plaque burdenプラーク断面積

カレーのターメリックに含まれるクルクミンは強力な抗酸化作用や抗炎症作用があり、またアミロイドβやプラーク断面積を減少させると実験では示されてきたが、疫学的な根拠を欠いていた。高齢のアジア人を対象にカレーの摂取と認知機能の関係を調査した。

 
 

黒沢月男
カレーに含まれるクルクミンが重要なんだと。
羽田三樹夫
だから、こういう認知機能に関する結果を信じるんだったら、市販のルーでカレーを作るのではなくて例えば味づけとしてカレー粉を利用するなどしたほうが俺はいいと思う。大量に油を摂るということになると最近発表されたこういう研究を見ておかないといけないはずだ。

脂っこい食事が薄毛を進める可能性があります!

羽田三樹夫
最近東京医科歯科大学と東京大学医科学研究所のチームが発表した研究がニュースになっただろう?(=『Obesity accelerates hair thinning by stem cell-centric converging mechanisms』)
黒沢月男
脂っこい食事をさせたマウスの毛が薄くなったっていうやつですよね。でも元々肥満の人がより男性型脱毛症になりやすいっていうのは疫学調査ではっきりしていますよね。
羽田三樹夫
そのメカニズムがよりわかったということで発表されたわけだろ? 概要を見ると加齢のマウスは1カ月高脂肪食を摂取するだけで毛が再生しにくくなったっていうんだな。若いマウスでも数ヵ月以上の高脂肪食で毛が薄くなったということだ。
黒沢月男
年をとっていれば、短い期間でもあっという間にハゲになる可能性があるってことですか。
羽田三樹夫
脂っこい食事を摂ると、毛包の萎縮が起こって脱毛症が進行するっていうんだな。毛が細くなったり、そもそも生えなくなった、っていうんだから平たく言えばハゲたってことだ。
黒沢月男
マウスで得られた結果っていうのはそのまま人間にも当てはまりそうなんですか?
羽田三樹夫
毛の生える仕組みっていうのはほとんど同じだそうだ。
黒沢月男
マウスで起こることが人間でも当てはまる可能性が高いと。
羽田三樹夫
以前70代なのに、30代の体型を維持している俺の母親の話をしたけど、カレーをまったく食べないんだな。ガキの頃カレーを食べさせられた記憶がほとんどない。
黒沢月男
理由があるんですか?
羽田三樹夫
理由を聞いたら、太るからって言ってた。油を大量に摂ることが一番太りやすいって経験的に知っていた、ということだな。格闘家の前田明さんって知っている?
黒沢月男
元新日本プロレス! UWFの前田明! THE OUTSIDERの主催者!
羽田三樹夫
最近youtubeチャンネルで朝倉兄弟(RIZINで活躍している朝倉未来選手+朝倉海選手)とコラボしたり料理の動画なんかをアップしているだろ?
黒沢月男
人気がありますよね。
羽田三樹夫
そのyoutubeのなかで新日本プロレス時代のまだ痩せていた時に一番太るために食べたのがカレーだったって言ってたね。カレーが一番太るんだよ。体重を増やしたいレスラーだったらいいけど、ほとんどの人は逆に体重が増えるのを気にしているだろ? それに脂を摂り過ぎたマウスと同じようになるのは誰だって嫌なはずだ。
黒沢月男
カレーに含まれるクルクミンに注目したほうがいいということですかね。今日の結論としては。
羽田三樹夫
市販のルーでカレーを食べるときは特に注意が必要だ。
 
 
 
 

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髪の悩み相談室登場人物
髪の悩み相談室室長・羽田三樹夫……24歳のときに洗髪だけで200本抜けるという恐怖体験を8か月経験する。そのときから生活習慣の改善に重点を置いた「薄毛にならない対策」をはじめる。父親はハゲ、父親の父親(=祖父)もハゲ、父親の兄(=伯父)もハゲ、母方の祖父もハゲ、父方の親戚にかつらの戦士がいるという「華麗なるハゲ一族」の出。遺伝を考えれば絶望的にかかわらず、42歳になった今でも「ハゲでない」状態をキープしている。
黒沢月男……30歳から生え際が後退しだし、ごまかしが効かなくなっている35歳。薬に頼るかどうか真剣に思案中。
雫まゆみ……旦那がずるむけのハゲ。旦那が育毛剤その他のヘアケア商品の購入のためだけに金を使うのでそのことでしょっちゅう喧嘩をしている。ハゲを見るだけで最近気分が悪くなる。