なぜハゲは医者にかかるのがベストと言われるようになったのか?

羽田三樹夫
今はハゲ・薄毛を治したければまず、医者に行くというのが常識になっています。僕のようにリーブ21に通ったことがある、などというと爆笑されることさえあります。僕が初めて「ハゲるのでは?」という恐怖にかられた20年前は、まだ医者に通うという選択肢自体がありませんでした。薄毛、ハゲと言ったら育毛剤に頼るのが基本で、小金があれば育毛サロンに行くのが普通でした。今回はなぜハゲは医者に通うのが普通になったのか、ということについて話してみたいと思います。

 
 

英語で副作用を調べることがとても大切

もちろん、フィナステリドとミノキシジルの組み合わせが奏功して、以前より髪が生える人が増えたから、というのも大きいとは思います。人によってはそれが全てだと言う人もいるとは思います。ただ僕の意見は少し違います。

僕が、考える「ハゲは医者!」となった理由を3つ挙げれば次の通りです。

 
 

理由はこれ!
1、日本人の多くが英語を読めないから
2、グーグルの検索では医者の意見しか上位にこないから
3、育毛サロンでは効果がわかりにくいから

 
 

僕はこのブログで繰り返し、繰り返し、本当にくどいほど言ってきたのは、男性型脱毛症というのは症状であって「疾患」ではないということです。

ただ「今の社会ではハゲのままでいることが生活のクオリティーを大幅に下げることになる」というこじつけで、症状に対して薬を用いることが正当化されています。西洋薬の基本が「毒を持って毒を制す」だと考えると制すべき毒などどこにもないのに毒だけ飲んでいるということになります。

僕は30代でうつ病になったとき、生え際が一気に1センチ弱後退して明らかにAGAの症状が進んでしまったことがあります。ずっと「お前は猫の額だ」とからかわれてきたので1センチ弱がそのまま「見た目でわかるハゲ」とはならずに済みましたが、このとき真剣にフィナステリドの服用を考えました。

真剣に悩んでいるあなたならよくご存じの通り、薬といってもそれほど高額ではありませんね。

市販のものよりも少し高いシャンプーを1カ月で使いきるくらいの値段だと考えると経済的なダメージもそれほど大きくありません。

すでに多くのタレントが薄毛治療をしていることをさらっと告白していて、その効果だって実証済みのようにも思えます。

ただ結局、僕は薬に頼ることはせず、乱れきっていた生活習慣をもう一度見直すことを選択しました。僕が踏みとどまったのは、英語で副作用を調べてみたことが大きく理由としてあげられます。

元々フィナステリドという薬は前立腺に対する薬として用いられていたものです。それを容量を変えてハゲ用に転用した、だけです。だから前立腺に用いていたものの方が歴史が長い分、疫学調査が多く存在します。

例えば、アメリカのNCBI(アメリカ合衆国の国立衛生研究所 (NIH) 下の国立医学図書館)で閲覧できる疫学調査には北欧4国(デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン)を対象にしたこんなものがあります。

『Finasteride treatment and male breast cancer: a register‐based cohort study in four Nordic countries』という論文の結論とされているところを抜いてみるとこんな風に書かれています。
 
 

結論として……

In conclusion, a significant association between dispensed finasteride and MBC was identified. However, due to limited data for adjustment of potential confounding and surveillance bias in the present study, further research is needed to confirm these results.
結論としては、フィナステリドの服用と男性乳がんのリスクとの間には有意な関係が認められる。ただし、この研究では潜在的交絡因子と監督バイアスの調整という面でデータが限られているため、こうした結果を確定させるにはさらなる調査が必要である。

 
 

当然前立腺に対して処方されるものとは容量が違うのですから、本当の参考にしかならない資料です。ただし、僕のような素人にはとても響く結論ではあります。

また、男性ホルモン悪人説の上に成り立っている薬を服用するとこんなことだって起こる可能性があるというのも英語の文献から拾うことができます。

「Drug-induced gynecomastia」(Bowman JD1, Kim H, Bustamante JJ.)という論文から引用してみます。
 
 

女性乳房化の例が報告されています!

Finasteride (1 mg/day) is widely utilized by dermatologists for the treatment of androgenetic alopecia. Although enjoying a relatively good safety profile, several sex-related adverse effects have been reported with this drug. Here we report two cases of gynecomastia, one of them bilateral, caused by Propecia® prescribed for the treatment of androgenetic alopecia. Although relatively rare, physicians should be aware of this side effect and inform their patients when prescribing this medication.
※dermatologists皮膚科医
フィナステリドは皮膚科の医師の間で男性型脱毛症に広く使用されている。比較的安全な薬ではあるが、いくつかの性関連の副作用が報告されている。男性型脱毛症の治療目的で処方されたプロペシア(※フィナステリドの商品名=引用者注)が原因の女性化乳房の2例(うち1例は両方の乳房に起こったもの)に触れてみる。比較的稀な例ではあるが、医師はこの副作用に注意して患者に対してこの薬を処方する際は、知らせるようにすべきである。

 
 

黒沢月男
フィナステリドの副作用についてはこちらの記事で触れています!

 
 

すでに世界中のハゲの人がフィナステリドを処方されていて、その数に比べれば副作用の発症率はとても低く極めて安全な薬だとされています。僕もおおむねそう思います。ただ以前紹介したロイターのスクープを読んでみるとそういう風に決めてかかることが本当にできるのか、という疑問がほかならぬ自分がその薬を飲むとなったときに浮かんでしまいます。

そもそもあなたは2019年時点でアメリカのプロペシアに関する裁判が1100以上も起こされている事実を知っていましたか?

あなたも近所の皮膚科でもらうことができるその薬で訴訟が起こっていると知っていましたか?

ロイターがしたスクープでは製薬会社が副作用を訴えたにもかかわらずその内容を反映していなかった可能性さえ指摘されています。また、治験を早く終了した人の頭数も入れていなかったらしいともレポートされています。表に出ていた副作用のデータは都合よく数字をいじったものだった、ということにもなりかねない話です。

黒沢月男
ロイターのスクープはこちらの記事からどうぞ!
 
 

英語で情報を拾うと日本の皮膚科のお医者さんが言っているような薔薇色の未来だけが見えるわけではないとよくわかります。

直接の利害関係者でない人の意見を英語で確認しておくというのが本当に大切なことです。参考までに日本語で読むことができる資料には「男性型脱毛症用薬フィナステリド服用中に若年性脳卒中を発症した2症例」という報告があります。

 
 

論文からの引用です

フィナステリド服用中の血栓症発症は,PMDAへは,本2 症例を併せて14症例の報告がある(Table 1).脳卒中が4例, そのうち脳静脈洞血栓症2例,脳梗塞2例,急性心筋梗塞が 6例,その他の血栓症が4例であった.年齢は30~50歳代 の男性で,服用期間は1週間~6年と様々であった.ミノキ シジル併用例は症例2をふくめ3例の報告がある.症例2は 内服薬であったが,その他2例は外用薬,内服薬のいずれか が不明であった.脳卒中で頭痛をともなう症例は本報告の2 症例のみだったが,PMDA報告に頭痛の合併が記載されて いない可能性もある.

 
 

PMDAというのは医療品医療機器総合機構(=Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)というところです。

ここに対して14例の血栓症の症例報告があるということです。

この論文の中ではフィナステリドが起こしうる副作用の可能性についての言及もなされています。実際にあなたもPMDAのサイトをのぞいてみればわかることですが、もっと多くの副作用に関する情報をそこでは拾うことができます。髪が生えてきてワロウタなどというノリで使うものではないとわかるはずです。

黒沢月男
副作用の調べ方はこちらも参考にしてみてください!
 
 

グーグルの検索には医者の意見しか載りません

グーグルは検索の精度を常に「改善」していることを多くの人が知っていると思います。

特に健康に関する分野については、最近では医者の意見というのがまず上位に表示されます。食事に関することであれば栄養管理士の意見が上位にきますし、ハゲ・薄毛に関することも医者か、発毛診断士などの権威者の言葉というのが尊重されます。

だから、あなたが薄毛・ハゲの「治療」をしたいと思い検索すれば、まず上位に医者の意見がきます。何回めくっても生活習慣がどうした、などと言っている地味なブログなど出てきません。

あなたが薄毛・ハゲを治したいと思ったら、まず何をしますか?

いきなり友達に聞きますか?

最近はyoutubeですか?

本から情報を得ますか?

きっとネットで調べる、というのも上位にくるはずですね。

ハゲ、薄毛の「治療」をしたいと思い、検索窓にその類の文言を打ち込めばまず表示されるのは医者の意見です。

それもハゲ・薄毛の治療をしている医者の意見です。

誰だって苦労して情報など集めたくはありませんね。

ネットでほかならぬ専門家の意見が聴くことができるならそれに従うほうが無難です。

ただ、お菓子にだって注意書きくらいは存在します。

病気でもないのに、薬を使おうというのなら、苦労して注意書きくらいは自分で読んだ方がいいというのは、穿った意見でしょうか?
 
 

サロンの効果がずっと疑われています

僕が約20年前にハゲの危機を迎えたとき、医者という選択肢はありませんでした。爆笑問題が薄毛は医者で治る時代です、と宣伝しはじめたのは僕がリーブ21に通ってから何年もたった後です。

その育毛サロンが振るわない、ところにも「医者で一択」となった大きな原因があります。

『間違いだらけの薄毛対策』の著者である麻生泰さんはいかに増毛からカツラへの誘導が巧妙で狡猾かということをその著者のなかで憎しみをこめて告発しています

僕もリーブ21に通ったことがまったく意味のない経験だったと思えばその意見に同調してこのブログで口汚くののしっていたと思います。

僕の場合で言えば幸いそれまで洗髪だけで200本続いていた抜け毛が正常の範囲に戻り、その時点ではげることがありませんでした。

たまたま処方されたシャンプーがあっていたのかもしれません。出された育毛剤が効いたのかもしれません。食事を含めた生活習慣の改善というところにハゲ・薄毛改善の鍵が隠されていたのかもしれません。

その全部があわさって、奏功したのかもしれませんし、たまたま僕にだけはよかった方法だったのかもしれません。

もしかしたら、そういう施術とは全く関係ないところで偶然が重なっただけなのかもしれません。

こればかりはやってみないとあなたにも同様に効果がある、などととても言えないと思います。

ただ、変な副作用をもらったりせず、余計な金を払わずに済んだ、ということは確かです。

サロンはその効果に比して宣伝が過剰なので、あちこちで糾弾されています。ただハゲに対してサロンと医者のどちらが真剣にむきあっているのか、ということはにわかには決められないことです。

成績の出し方が不明瞭で多くの人から不満が上がっているサロンと生活のクオリティ云々という理屈をもちだして、病気でもないのに薬を出している医者とどちらかが誠実かなどと決めようもないはずです。

僕は以前「40代までにハゲたらまともに生活なんかできない。だから多少のことは覚悟で薬を飲むんだ」と友人から言われたことがあります。

その多少のことを覚悟する前にできることは結構ある、というのがこのブログでの変わらない結論です。

羽田三樹夫
まずシャンプーをやめました!

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