皮脂を悪者にするのはいい加減やめにしませんか?

羽田三樹夫
皮脂が毛穴に詰まって結果的に脱毛を引き起こすというのは、今や「常識」になりつつあります。だから洗浄力の強いシャンプーを使って頭皮を清潔に保ちましょう、というのが次に来る「理屈」です。ただしここに根拠はありません。実は皮脂そのものは「悪」でもなんでもなく頭皮を守ってくれている大切な僕たちの守護神です。僕の今体験していることも交えて話してみます。
 
 

気にすべきなのは「過剰」に出ているとき

人間の体は本当によくできています。そのよくできた体の仕組みのうちで悪さだけするものが頭から出ていると考える方が間違いです。皮脂には抗酸化物質であるビタミンEが含まれていることがわかっています。

これによって紫外線から肌を守ってくれています。また細菌の増殖を抑える働きも持っています。これだけ考えても悪玉でもなんでもないわけです。

ではなぜ、皮脂が悪玉だと言われるようになったのかと言えば、一つはそれが詰まって悪さをしているという間違ったイメージを植え付ければ高価なシャンプーが売りやすくなるためです。さらに邪魔な皮脂を取ることによって育毛剤が浸透しやすくなるというイメージによって育毛剤も売れるためです。ただし、これは実体験として言えることですが、皮脂は取れば取れるほど、過剰分泌されます。すさまじくオイリーになってしまった頭皮は状態としては最悪です。

僕は洗髪だけで抜け毛200本オーバーを8か月経験したことがあります。このときの頭皮の状態がまさにこのベタベタな状態でした。

 
 

羽田三樹夫
皮脂を取り除いた後に育毛剤が浸透していく「絵」というのは説得力がありますが、髪の栄養というのはそもそも食べたものから得られます。食事が基本だということを忘れてはいけません。

 
 

原因は合成界面活性剤を使って洗いすぎているから

あなたの近所で売っている市販のシャンプーにはもれなく、きわめて毒性の高い合成界面活性剤が入っています。「界面活性剤」というのは要するに水と油の関係を「和ませる」役割をする物質です。油と水になじませて分散させることによって油汚れという落ちにくい汚れも落とすことができるわけです。
ただし皮脂というのは繰り返しですが「悪玉」ではありません。皮脂を根こそぎ落とすことによる髪にとっての不利益というのはこんなことが言えます。『シャンプーをやめると、髪が増える』(宇津木龍一著)の文章を引用してみましょう。

皮脂腺が発達しすぎると、毛に供給されるはずの栄養の多くが皮脂腺へいってしまい、そのため、毛は栄養不足の状態におちいってしまいます。そうなれば、髪が十分に成長できなくなることはいうまでもありません。太くて長い毛が減って、逆に、細く、短いうぶ毛のような毛が増えることになるのですから、髪は当然、まばらになり、薄毛への道をたどることになります。

 
 

羽田三樹夫
『合成洗剤 買わない主義使わない主義』という本の中で、市販の台所用洗剤を鼠の背中に一日一回塗る実験をしています。ほぼ例外なく皮膚障害を起こし、中には腹から出血して死んだ鼠さえいたと記されています。こうした洗剤と同じ成分がシャンプーに使われていることも忘れてはいけません。

 
 

合成界面活性剤をやめたらアレルギーがなくなった

僕は元々アレルギー持ちでした。夏場などは無意識に掻いてしまい、いつも生傷を作っていました。それが、ボディシャンプー、ハンドソープ、衣服用の洗剤、食器用の洗剤をすべてやめたところ、このかゆみがピタリとなくなりました。合成の界面活性剤を使って「清潔」にすればするほどかえって皮膚の機能を削いでいたということです。

頭皮もこれと一緒です。人間の頭はペペロンチーノを食べた後の皿と同じではありません。皮膚の機能までそいでしまうような毒性の強いもので洗っていればいずれ悪い変化が起きます。皮脂が過剰に分泌されるというのは何か間違ったことをしているというシグナルと受け止めるべきです。
 
 

黒沢月男
作家の五木寛之さんは頭を洗わないことで有名です。ハゲているどころか人もうらやむほどの毛髪量です。この例一つとっても皮脂を毎日落とすことが頭皮を健やかに保つコツだとはとても言えそうにありません。
 
 

僕の皮脂遍歴と今の状態

実際僕は皮脂の過剰分泌で頭がベタベタになるというトラブルを24歳のときに経験しています。このときは洗髪だけで200本以上抜けるという恐怖を8か月も味わいました。親父はハゲ、父方の祖父も母方の祖父もハゲの家系です。夜中に意味もなくマラソンをするほど焦りました。

焦れば焦るほど余計なことをしてしまいます。今のあなたと一緒です。つまり余計に頭を洗ったり、添加物だらけの育毛剤を頭に振りかけたりするわけです。洗えば洗うほど皮脂が増えて余計にベトベトになります。そうすると今度は1日2回洗うようになります。今のあなたと一緒です。そして効かない育毛剤を捨てて今度は「薬」に頼ったりするわけです。

僕の場合はこのときシャンプーをアミノ酸系のものに替えました。結果的にこの選択は正しかったと今でも思っています。

 
 

羽田三樹夫
僕が使ったのはリーブ21の「アクティシャンプーR」です。これは今でも優秀なアミノ酸系のシャンプーだと思っています。
 
 

 
 

今は石けんシャンプー+湯シャンの組み合わせ

アミノ酸系のシャンプーに変えて頭皮のベタつきは一応収まりました。これによって大量の抜け毛の恐怖からも解放されました。そして今はそのアミノ酸系のシャンプーを実験的にやめて石けんシャンプーを使っています。

理由はどんなに「頭皮思い」だと強調しているシャンプーでも必ず添加物が入っているからです。代表的なものが防腐剤です。これは頭皮の常在菌を殺してしまうことがわかっています。人間の体というのは実によくできています。不自然なことをしてその機能を壊すことはやめたほうがいいというのが僕の結論です。

以前は木の耳かきの裏で頭皮をなでると脂がべったりと付きました。ところがシャンプーを昔ながらの「石けん」にしてからこのべっとりがなくなりました。その代わりフケが少し出るようになりました。抜け毛の本数は洗髪時で約半分になりました。春先の数字で30本前後までになりました。

 
 

黒沢月男
シャンプーもそうですが口にいれる食品の成分表示にも詳しくなることがはるかに薄毛防止になります。大事なのは体にいい食事、運動、睡眠の組み合わせです!
 
 

結論:皮脂は悪玉ではない

繰り返しですが、皮脂そのものが「悪い」のではなく、皮脂が過剰に分泌されてしまうような不自然なことをしているあなたの行動が髪にとっては「悪い」ということになります。

シャンプーの宣伝ではどれだけきれいになったのかという演出がますます洗練されてきています。ただし今日見てきたように皮脂を根こそぎ取り去ってしまうようなことを続けるべきではありません。皮脂はあくまであなたの味方です!
 
 

羽田三樹夫
僕の実体験としてはっきり言えることは、その爽快感の先にはひどい頭皮のトラブルが待っている!ということです 
 
 

 
 
面白いと思ったらポチっとお願いします!↓

育毛・発毛ランキング

ブログ『健康オタクが教える薄毛防止法』髪の悩み相談室登場人物
髪の悩み相談室室長・羽田三樹夫……24歳のときに洗髪だけで200本抜けるという恐怖体験を8か月経験する。そのときから生活習慣の改善に重点を置いた「薄毛にならない対策」をはじめる。父親はハゲ、父親の父親(=祖父)もハゲ、父親の兄(=伯父)もハゲ、母方の祖父もハゲ、父方の親戚にかつらの戦士がいるという「華麗なるハゲ一族」の出。遺伝を考えれば絶望的にかかわらず、42歳になった今でも「ハゲでない」状態をキープしている。
黒沢月男……30歳から生え際が後退しだし、ごまかしが効かなくなっている35歳。薬に頼るかどうか真剣に思案中。
雫まゆみ……旦那がずるむけのハゲ。旦那が育毛剤その他のヘアケア商品の購入のためだけに金を使うのでそのことでしょっちゅう喧嘩をしている。ハゲを見るだけで最近気分が悪くなる。