抜け毛が増えたりして髪に異変が起こるとほとんどの人は、どんな育毛剤がいいのかだとか、シャンプーはどれがいいのか、頭皮にダメージの少ない整髪料はどれかなどというところに注意が行くと思います。
最近では「薬」の使用を前提としてどのクリニックがいいか、というところまで一気に考えが飛ぶ人もいるようです。
ただ、僕の場合、髪の異変という「修羅場」になれてきたこともあり、一足飛びに「薬」に食いつくようなアクロバティックなことはしません。
何をするのかと言えば、何が「健康」にいいのか、ということを本で調べる、ということをします。今回は最近読んで面白かった『勝間式食事ハック』(勝間和代著)に触れつつ、なぜハゲなのに「健康」を考えるのかを書いてみます。
ハゲは早すぎた老化?
あのかつらメーカーのアデランスが世界の薄毛率を調べていたことがあります(このブログではくどいほど引用してきました)。最初の調査は1982年でそのときの日本(東京)の薄毛率は約16%だったそうです。それが2009年には約26%に跳ね上がっています。
1982年の16%から2009年の26%に跳ね上がった分というのは、つまるところ、食事を含めた生活習慣やストレスの違いが結局この数字になったと考えるのが自然です。僕は男性ホルモンと遺伝の影響を受けている薄毛というのはせいぜい10%程度ではないかと思っています。
なぜなら、1982年の時点で今に通じるストレスフルな生活はすでにあったはずですし、食生活を加工食品に頼る生活や、運動不足の悪癖というのは定着していたはずだからです。現に僕の子供のころにはすでに食卓に多くの加工食品が並んでいましたし、母親が運動をしているのをほとんど見たことがありませんでした。
ハゲ・薄毛の大きな原因というのは、不健康な生活を続けた結果、老化が早く進んだためです。
だから、髪に異変が起きた時には何が「健康」を害しているのかということに注意を向けるべきなのです。
僕の中学のときの同級生で、10代のうちにハゲてしまって今はスキンヘッドにしている人がいます。当時から増毛などをしてなんとか隠そうとしていましたが、20代で髪の毛を剃ってそれからずっとスキンヘッドです。
そもそも僕は論外だと思っていますが、百歩譲って「薬」の使用も「薄毛対策」に入れる場合、検討すべきなのはこういう人のみだと思っています。「薬」の副作用についてはさんざん話してきたので、ここでは省きます。

プラントベース・ホールフードが基本
『勝間式食事ハック』の「本旨」はまえがきの部分に書かれています。
健康に良い食事というのは、中長期的に自分の健康に生きていられる時間を長くするということです。老化の防止にもなるし、ある程度整ったスタイルも保てるし、がんや脳卒中、心臓病といった生活習慣病や、関節炎などにもかかりにくくなるのです。
つまり、食事を整えるという事は、食事の生産性を上げるだけではなく、人生の生産性を上げる事につながります。
僕がこのまえがきを書くとしたら
「老化の防止にもなるし、ある程度整ったスタイルも保てるし、がんや脳卒中、心臓病といった生活習慣病や、関節炎などにもかかりにくくなるのです。」
の部分をたぶん、
「老化の防止にもなるし、薄毛の防止にもなるし、ある程度整ったスタイルも保てるし、がんや脳卒中、心臓病といった生活習慣病や、関節炎などにもかかりにくくなるのです。」
とすると思います。
この本の言うところの健康的な食事とは何かというと、
プラントベース・ホールフード
です。
「プラントベース」とは「食べるものを植物性のものを中心にすること」です。
「ホールフード」とは「過度に加工、精製していない食品のこと」です。つまりそうしたものを食べるということです。
このブログでずっと唱え続けてきたこととほぼ同じことが「プラントベース・ホールフード」と端的に言いあらわされているわけです。
ただし、こうした食事を実現しようとするとうまくもない料理を毎食口にしなければならないということが往々にして起こってしまいます。
この本の肝は、まずくなりがちな食事を最新のテクノロジー(調理家電)を使いこなすことで簡単に「美味しく」実現できるということになります。
材料を入れてボタンを押すだけで料理が出来上がる調理家電をうまく使いこなすことで職人のような繊細な技術を必要とせず、美味しい料理を簡単に作ることができます。
さらに調理そのものの時間も大幅に減らすことができるというわけです。
この本の面白いところは、家事の処世術とも言えるような料理に関する現実的な対策が織り込まれていることが一つと、もう一つは「健康」になる根拠を色々なコーホート研究を引用しながら説明しているところです。

健康をお金を出して買う
例えば、この本では、動物性食品を植物性食品に変えることでどのくらい死亡率が下がるのかということをアメリカのコーホート研究の成果を用いて説明しています。
加工した赤身肉→植物性タンパク 34%リスク低下
未加工の赤身肉→植物性タンパク 12%リスク低下
鶏肉→植物性タンパク 6%リスク低下
魚→植物性タンパク 6%リスク低下
卵→植物性タンパク 19%リスク低下
乳製品→植物性タンパク 8%リスク低下
これは「Association of Animal and Plant Protein Intake With All-Cause and Cause-Specific Mortality,」(Song Mほか著)というコーホート研究から取ったものです。普段食べている食品による死亡率の違いのリスクを分析したもので13万人を対象にしています。
ほかにも『フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠』(マイケル・モス著 本間徳子訳)という本や「WHOによる1日の砂糖摂取量に関する最終ガイドラインについて:海外専門家コメント」(一般社団法人サイエンス・メディア・センターHP)などを参照しつつ、下のように記してあります。
食生活に関し、様々なデータがありますが、どれも一致しているのは、野菜及び豆類の摂取量は健康に効果が高いということです。
一方、糖質の摂りすぎ、脂質の摂りすぎ、塩分の摂りすぎ、これらは全て健康に害があることがわかっています。ところがこの糖質、脂質、塩分というのは何が問題かというと、手軽に食べ物を安くおいしくする効果があるのです。
こういう文章を読めば、加工食品を買うことは、金を払ってわざわざ「不健康」を買っているようなものだとわかるわけです。
この本は新刊本として買ってもたったの1200円です。
英語で書かれた海外の最新の知見をいくつも当たるには、時間と労力が必要です。
当然英語力も必要になりますね。
だとしたら、こうしたわかりやすく整理されている文章に頼るのも一つの手ではないでしょうか。
1200円で「健康」を買えるのだったら安いものです。
少なくとも、わざわざ「不健康」になるために金を出す愚を犯さなくて済むはずです。

あなたは情報強者?
ハゲ・薄毛を回避する有効な方法というのは実はまず情報強者になることです。
ぼんやりとテレビだけ見ているだけで入ってくる情報というのは「ハゲは薬で治る時代です」なんていうフレーズくらいです。
ただ、自分で英語の文献を調べてみればアメリカではその薬を飲んだ人(あるいはその遺族)によってすでに1100件以上の訴訟が起きていることがわかります。
(副作用を正確に記さなかったというものがほとんど)
薄毛対策に有効な薬の一つだと言われているミノキシジルは「降圧剤」で、ハゲのための薬ではそもそもなく、使用に際してFDA(U.S. FOOD&DRUG ADMINISTRATION)から「black box warning」という強い警告が出ている薬だとすぐにわかります。
ぼんやりしているとわざわざ頭皮にダメージを与えるだけのシャンプーをその広告の文言だけでつかまされるだけですし、生えるはずのない育毛剤に何万も毎月出すハメになってしまいます。
頭に毛がなくなったうえにさらに薬の副作用も一緒にもらってきたなんていうことになったらそれこそ、笑いごとではすみません。
健康で長くすごすためにはどうするか、まずここに目をむけるべきです。
まずは「健康」に対するリテラシーをあげること。これをすれば結果的に「ハゲ・薄毛」に対するリテラシーがあがります。
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