わりと反響があったので、今日もミノタブ(ミノキシジルの内服薬のこと)について書いてみようと思います。
前回書いた僕の意見というものを念のため繰り返しておくと
この薬をハゲ・薄毛の治療に使うというのは論外
だ、ということです。
ミノタブ(商品名=Lonitenロニテン)は降圧剤としてアメリカで認可されている薬
ですね。
この薬をハゲ・薄毛の薬として承認している国はどこにもありません。
その副作用に多毛症が見られたため、薄毛で悩む人たちが「副作用目当てに」使用している現状があるということです。
また前回、降圧剤として認可しているアメリカでもFDA(U.S. FOOD&DRUG ADMINISTRATION)から最高レベルの警告である「Boxed Warning」が出されている、ということも書きました。
(FDAは日本の厚生労働省にあたるところです)
この「Boxed Warning」というのは、下の英文で示したような強い意味を持っている警告なんだ、ということを説明したわけです。
(英文の下の日本語訳は僕がつけました)
Boxed Warning – This type of warning is also commonly referred to as a “black box warning.” It appears on a prescription drug’s label and is designed to call attention to serious or life-threatening risks.
このタイプの警告は「black box warning」とも呼ばれています。この警告は処方薬のラベルに表示され、人体に深刻な影響を与える可能性がある薬に対して注意喚起するためのものです。
今日は、こうした事実に加えて
多くの人が「ハゲ・薄毛の治療として最初に頼るべきだ」
としている日本のお医者さん(や研究者)がミノタブ(商品名=Loniten(ロニテン))に対してどういう考えを持っているのか、ということを紹介してみたいと思います。
2017年に出された日本皮膚科学会のガイドラインを参照してみましょう。
ミノタブの推奨度はD(=「行うべきではない」)!
日本皮膚科学会から出されたガイドラインというのは、
「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
というのが正式な名称です。
「~それでもなお皮膚科医の立場からは無効といえる科学的根拠に基づかない民間療法が社会的に横行し、無効な治療法を漫然と続ける患者も少なくなかった」
という風に冒頭で書かれているのでなんの証拠もなく効果だけをうたっている育毛剤などを積極的に排除していく意図もあるのでしょう。
また非科学的な方法によっていわゆる「治療」に近いものをしている育毛サロンなどに対する警告と読んでもいいかもしれません。
このガイドラインは推奨度というものが設けられていて
A~Dまでのランクが付けられています。
Aが「行うよう強く勧める」というもので
Bだと「行うように勧める」となり
Dは「行うべきではない」とされます。
Ⅰ~Ⅵのエビデンスレベルというのも同時に公表していてこれがA~D判定の根拠となっています。
要するに「髪に効く」という科学的な根拠がどれだけあるのかということですね。
ちなみにフィナステリド(商品名=プロペシアなど)はA判定の「行うように強く勧める」です。
ではあなたが使用しているもしくは使おうか迷っている内服のミノキシジル(=ミノタブ!)はどうなっているのかというと、
この15ページあるレポートの一番最後に
「ミノキシジルの内服は有用か?」
という短い文章がようやく登場します。
この短い問いに対する答えは
「D」
となっています。
そうですね。
「行うべきではない」
とこのレポートでは断じているということです。
ミノキシジルの内服を推さない、その理由は何?
この
「ミノキシジルの内服は有用か?」
という問いに関してはレポート内の他の項目と同じように、その理由がちゃんと書かれています。
「解説」とされている箇所を全部引用してみましょう。
推奨度:D
推薦文:ミノキシジルの内服を行うべきではない。
解 説:ミノキシジル内服の有用性に関して臨床試験は実施されていない。
ミノキシジルは降圧剤として開発されたが本邦では認可されていない。また、男性型脱毛症に対する治療薬としても認可されている国はない。それにもかかわらず、全身の多毛症を起こす副作用があることを根拠に、医師が安易に処方したり、一般人が個人輸入で入手し服用することがあるので、医薬品医療機器等法の観点から問題視されている。
多毛症以外のミノキシジル内服薬の副作用の報告は少なく、内服用製剤の添付文書中の市販後調査欄に、胸痛、心拍数増加、動悸、息切れ、呼吸困難、うっ血性心不全、むくみや体重増加などの重大な心血管系障害が生じるとの記載がある。
以上のように、ミノキシジルの内服療法は、利益と危険性が十分に検証されていないため、男性型脱毛症・女性型脱毛症ともに行わないよう強く勧められる。
一応注目すべきなのは、
「男性型脱毛症に対する治療薬としても認可されている国はない。それにもかかわらず、全身の多毛症を起こす副作用があることを根拠に、医師が安易に処方したり、一般人が個人輸入で入手し服用することがあるので、医薬品医療機器等法の観点から問題視されている。」
という箇所でしょうか。
ミノタブを安易に処方している医者に対しても「問題視」しているということです。
あなたが頼るべき指針を出している「日本皮膚科学会」でさえ
ミノタブだけはダメ❤
と現時点ではいっているわけです。
自己責任の意味をもう一度再確認しておきましょう!
男性型脱毛症の薬としてミノタブを使用することが今のところ論外だということを日本のお医者さん(と研究者)の意見でも確認できた、というところで、
「ミノタブを本当に使いますか?」
とこの短い記事を終わりにしてもいいのですが、
最後に少し付け足して終わりにしましょう。
実は、僕自身は推奨の度合い自体に関してはそれほど重要だとは思っていません。
こういうことを言うと怒られてしまうかもしれませんがこのレポートでA判定を出しているフィナステリドだって前立腺肥大に対する治療薬を転用しているだけの薬です。
発毛の副作用もあったから、結果としてそれをAGAの治療薬として使っているということにすぎないわけです。
もちろん、ミノタブについてはアメリカのFDAが血圧降下剤として使用するにしてもさまざまな条件を付けていることから、副作用の危険度はより高いということが言えるとは思えます。
ただ、僕が本当に確認しておいたほうがいいと思うのはそういうことではありません。
このガイドラインの冒頭「免責事項」というところに、下のような文章があります。
「この診療ガイドラインは臨床皮膚科医の視点に立って、現段階における医療水準を客観的事実から記載したものである。診療ガイドラインは個々の症例に応じて柔軟に使うものであって、医師の裁量権を規制し治療方針を限定するものではない。そのため、このガイドラインを医療紛争や医療訴訟の資料として用いることは、本来の目的から大きく逸脱するものであって、ガイドライン作成委員会としては容認できない~」
随分遠回しな言い方ですが、薬を使用する側にとって明白なのはこのガイドラインにおいて「最新の科学的な根拠」は提示するけれども結局決めるのは
自分自身だということを忘れないでね❤
ということです。
フィナステリドであろうと、ミノタブであろうと、ミノキシジルの外用薬であろうと科学的な根拠は出すけれど、結果として発生した副作用に関しては
自己責任です
ということです。
当たり前のことですが
医者から処方された薬を飲んでいるのだから安心なんだという理屈はまったく成り立ちません。
安心ということで言えば薬を出さない育毛サロンの類や生活習慣に目を向けた方法のほうが安心に決まっているんです。
それは薬には必ず副作用があるからです。
そしてその副作用はどこまでいってもその「治療」を受けると決めたあなた自身が引き受けなければならない、ということです。
ミノタブという薬についても少しだけ補足しておくと、日本では認可されていないため命に関わるようなひどい副作用が仮にあったとしても医薬品副作用被害救済制度の救済対象にもなりません。
自己責任の親玉みたいな薬だ、ということです。
あらゆる意味で自己責任の薬だということですね。
自分を切り売りするような投薬による治療以外にやれることはたくさんあるはずですがどうでしょうか?
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