
AGA(男性型脱毛症)の治療薬であるフィナステリド(商品名プロペシアなど)は副作用が起こる確率が非常に少ない薬だと言われていますが、薬をやめてもなお続く副作用があることは海外では広く知られています。今日は「Post-Finasteride Syndrome FOUNDATION」のサイトで見ることができる医師の警告を取り上げてみます。
ポイント!
●海外にはポストフィナステリドシンドローム(フィナステリドをやめてもなお続く副作用のこと)の解明、周知、患者の援助を目的とした財団が存在する
●男性型脱毛症は病気ではなく症状
●症状に薬を使うのは実は異常なこと
●男性型脱毛症は病気ではなく症状
●症状に薬を使うのは実は異常なこと
不眠症が続いた場合は特に注意が必要?

今日はフィナステリドについてですか? どのみち男性型脱毛症(AGA)に薬を使うのはやめたほうがいいっていう結論ですよね?

代わり映えしないけどそうだよ。理由もお前が言うか?

男性型脱毛症っていうのは疾患ではなく症状だから、毒を以て毒を制すが基本の西洋薬を使うのは論外ということですよね。制すべき毒がないのに毒だけ飲んでいるっていうのは異常なことだと。

フィナステリドっていうのは前立腺肥大の薬を容量をかえて使っているだけの話なんだな。ハゲ用の特効薬みたいな期待はかけないほうがいいよ。

ハゲ用の薬としては特効薬と言われているミノキシジルは降圧剤をそのまま使っているだけでしたね。

そう。結局そのメカニズムもわかっていない男性型脱毛症に前立腺肥大の薬を使っているという話だということなんだな。だから後から考えたらとんでもないことをやっていたなんていうことになりかねない話しだ。前にポストフィナステリドシンドロームの話をしただろ?

フィナステリドをやめてもなお続く副作用の症状のことですよね。

これってどんな症状があったか覚えている?

勃起不全とか、うつ病なんかの精神疾患ですよね。

そう。薬の服用を中止したにも関わらず、そういう副作用が続いて、自殺してしまうという最悪のケースも報告されているわけだ。アメリカではその遺族からの訴えも含めて多く訴訟が起こされているから、めずらしい話ではない。

ポストフィナステリドシンドロームは日本では「そんなものは気のせい!」って言われているんですよね。

医学的な根拠が薄いという理由でほとんど無視されている状況だな。製薬会社の抗弁にならって「ハゲというのはそもそも悩みが深く、うつ傾向にある」なんていう侮辱的な発言さえまだ聞かれるくらいだから。ただしそれは日本の皮膚科の先生の間で特に強いという感じだな。

そりゃそんなものがあるってことになったら商売あがったりですからね。

そもそも薬を使うことは論外だけど、やっぱり自分できちっと調べる能力を身に着けるというのが一番大切なことなんだな。こういうのは前にも言ったように海外のレポートを拾っておくことが大切だよ。薬の副作用なんて自分自身に降りかかってくる可能性があるのならなおさらだ。

海外のレポートに当たるのが鉄則ですか?

例えば「Post-Finasteride Syndrome FOUNDATION」のサイトをのぞいてみると「Finasteride and Suicide : A Postmarketing Case Series」(Dermatology, January 14, 2020 Michael S. Irwig, MD, Attending Endocrinologist)なんていうお医者さんのレポートがちゃんとあがっているんだな。

そのままズバリ「フィナステリドと自殺」ということですか。

そう。「suicide」っていうのは自殺のことだ。このレポートはあくまで注意喚起という形を取っているけど、要点をまとめると下のような感じだ。
男性型脱毛症に対してフィナステリドを使用していた6人の自殺者の検視結果やメディカルレコード(カルテ)の提供を遺族から受け、調べた結果、自殺した人の共通した症状として不眠症と勃起不全などの性的な副作用が服用を中止した後も続いていたとわかった。1例をのぞいて並行して行っていた治療はなく、既往症や精神疾患はなかった。

日本にいるとフィナステリドと自殺なんてまったく現実感のない話だろ?

クリニックの宣伝だけ聞くと非常に安全な薬で使用についてはまったく心配がないと思ってしまいますよね。

このリポートは引き続き因果関係について調査が必要であるとしたうえで、次のように注意喚起して終わっているからこれは英語で見てみようか。
Men under the age of 40 who use finasteride for alopecia are at risk for suicide if they develop persistent sexual adverse effects and insomnia.
Alopecia脱毛症 androgenetic alopecia男性型脱毛症
Insomnia不眠症

これわかる?

「フィナステリドを脱毛症のために使っている40歳未満の男性は、仮に性的な副作用や不眠症が続いている場合は自殺のリスクがある、無視できない」ってことですね。

日本にいたらこういうのはまったく意識しないだろ?

遠い国の話みたいですよね。

「Finasteride and Suicide : A Postmarketing Case Series」とグーグルの検索窓に打ち込めばリポートの全文を読むことができるからチェックしてみたらいいよ。
効果のある薄毛対策は薬だけではありません!
英語の文献に当たることが最も大切

ただ「Post-Finasteride Syndrome FOUNDATION」に載っているとなるとそういう人たちの政治的な立場みたいなものも意識しないといけないですよね?

もちろんそう思うよ。ただそれはハゲを相手に商売している医者の立場を意識するってことと同じだろ?

皮膚科の先生だったら直接利害関係にあるわけですからね。

そもそも、薬の副作用っていうのは死に至る病に対して使われて初めて許容されるべきもんなんじゃない? 「症状」に使っていてしかも海外で報告されているような副作用をきちんと伝えてないなんてことがもしあるとしたら、そういう態度こそ問題視されるべきものだと思うけど。

フィナステリドで副作用が起こる確率自体は高くないっていうデータも出ているからそこも見てしっかり自分で検討すべしということですかね。

フィナステリドをAGA治療に転用するときに行った治験のデータがどうも改ざんされていた疑いがあるっていうロイターのスクープも取り上げたこともあるだろ? これもやっぱり海外の情報の一つだよ。

非公開の裁判の資料をロイターが入手して情報をつなぎ合わせるとポストフィナステリドシンドロームの症状自体もすでに確認されていたらしいってことでしたね。

こういうのも情報のはずなんだな。疾患ではないことに薬を使うっていうのはノリですることでは決してないというのをやっぱり確認しておくべきだよ。
面白いと思ったらポチっとお願いします!↓
育毛・発毛ランキング
髪の悩み相談室登場人物

髪の悩み相談室室長・羽田三樹夫……24歳のときに洗髪だけで200本抜けるという恐怖体験を8か月経験する。そのときから生活習慣の改善に重点を置いた「薄毛にならない対策」をはじめる。父親はハゲ、父親の父親(=祖父)もハゲ、父親の兄(=伯父)もハゲ、母方の祖父もハゲ、父方の親戚にかつらの戦士がいるという「華麗なるハゲ一族」の出。遺伝を考えれば絶望的にかかわらず、42歳になった今でも「ハゲでない」状態をキープしている。

黒沢月男……30歳から生え際が後退しだし、ごまかしが効かなくなっている35歳。薬に頼るかどうか真剣に思案中。

雫まゆみ……旦那がずるむけのハゲ。旦那が育毛剤その他のヘアケア商品の購入のためだけに金を使うのでそのことでしょっちゅう喧嘩をしている。ハゲを見るだけで最近気分が悪くなる。