僕は30代後半でうつ病になり、その後生え際が1センチ弱後退するというダブルパンチに見舞われたことがあります。
うつ病が回復したあとも後遺症のように残ったのは眠りが浅いということでした。確かに眠れてはいます。ただ、些細な物音ですぐに目を覚ましてしまうということはしょっちゅうでしたし、寝る前に水を飲むとトイレで起きてしまうということが普通でした。特に頻尿ということはなく今ではそういうこともありません。
睡眠がうまくいかないとその一日は特にパフォーマンスが上がりません。睡眠の質は先日も紹介したとおり、老化にも関わります。ハゲを前にすすめないためにも老化のスピードだけは早めてはいけません。今日は僕が実践して「睡眠不全」に効果があった5つを紹介したいと思います。

朝日を浴びる
僕は6時から7時の間に起きるように強引にシフトしました。まず複数の人とオフィスを借りていた友人に頼んで、余っている一席を使わせてもらうようにしました。そして仕事の打ち合わせはすべて午前中に設定するようにしました。
お金を払って一席借りたので生産的な活動をしないと、金をドブに捨てるようなものです。当然打ち合わせをすっぼかすわけにはいきません。こういう強制を自分に課して、夜型だったのを強引に朝型に変えました。
これによって途中で起きてしまう回数がグッと減りました。僕は次に紹介する運動とこの朝の光を浴びるというのが睡眠を整えることにおいては最強の組み合わせだと思っています。
運動を深い時間にすると逆に睡眠に影響が出てしまうので、僕は一駅分歩く、もしくは自転車を使ってオフィスまで行くということをしています。坂道だけを律儀に選ぶなんていうこともします。心地よい疲労は睡眠を助けます。朝に起きることが必須なので10時から2時という黄金時間帯に眠ることができるようになります。
『SLEEP』という本の中には、深夜労働がどれだけ健康を害するのかということをいくつも例をあげて説明しています。パフォーマンスが上がらない例としてはこんなものがあるそうです。
ブリティッシュ・コロンビア大学の研究チームの発表では、夜間シフトで勤務中に怪我をするリスクは2倍近くになるという。この調査は、シフト勤務で働いた3万人以上の労働者のデータを10年分集めて実施された。10年で職場の安全性の改善が進み、昼シフトの労働者が怪我をする確率は総じて下がったが、夜シフトでの確率は下がらなかった。
怪我や事故の確率も、死亡する確率も、夜間で働いている人のほうが一貫して高い。目的が仕事であっても娯楽であっても、遅くまで起きている限り先行きは真っ暗なのだ。

運動する
僕は通勤と運動を結びつけています。暑い日などは汗をかくことを想定して着替えを持って出かけることがあります。コロナでジム通いをやめてしまったので今はなおさら「通勤中に運動」という意識でいます。
運動それ自体が心地よい、ということのほかにはもちろんよく眠れるからですね。運動と言ってもそれほど構えることなく坂が多いところを選んで自転車で走る、もしくは歩くということをします。歩くときは以前紹介した早歩きです。自転車を使うときは重いギアに入れてのぼります。職場から自宅までの行き来でかなりの運動になります。
さっきも言いましたが、朝日を浴びて運動するというのは睡眠にとって最強です。これは実体験として言えます。僕は「運動+朝日」で睡眠の質が劇的に改善しました。さらに睡眠が改善したことによって気持ちの浮き沈みが少なくなったということも実感しています。うつ病を経験しているので「沈み」にはとても敏感です。
老化をすすめないためにも午前中の運動をこころがけましょう。きっとこんな効果があなたを待っています。
学術誌『アーカイブス・オブ・インターナル・メディスン』に掲載された研究により、週に100分程度の運動(テニス、水泳、ランニングなど)をした人は、週に16分だけ運動した人に比べて平均5~6歳若く見えることが明らかになった。やはり、運動は若さの源泉なのだ。睡眠を改善する効果も期待できることを思えば、健康で長生きするためには、適切な運動が欠かせないのもうなずける。『SLEEP』(ショーン・スティーブンソン著)

コーヒーを午後2時までに摂る
僕はコーヒーが大好きで、ひどいときは1日10杯近く飲んでいたことさえあります。そんなことをしていれば寝つきが悪くなるに決まっていますね。カフェインには利尿作用もあるので夜中にトイレに行く確率も増します。
僕の場合は最初にココアなどよりカフェインが少ないものを取り入れてコーヒーを飲む回数を減らしました。冬のココアにハマったのでその移行は結構うまくいきました。砂糖はいれないか、ハチミツで代用です。
その後でカフェインを摂る時間帯を午後2時までと設定しました。カフェインの半減期は個人差もありますが、5~8時間と言われています。23時に就寝するとしてもそのぐらいまでに摂っておくのが理想と言えます。
コーヒーを午後2時までに摂るようになって一番感じた変化は寝つきがよくなったということです。朝日を浴びて運動して、コーヒーは午後2時まで。これをすれば、ほぼ間違いないでしょう。『ジャーナル・オブ・クリニカル・スリープ・メディスン』に載ったという先日紹介した実験をもう一度引用してみます。あなたもこれでコーヒーは14時までと心に決めるはずです。
彼らは実験で、複数の被験者に異なるタイミング(寝る間際、寝る3時間前、寝る6時間前)でカフェインを摂取させた。すると、全員の睡眠が大幅に阻害されたことがはっきり数値に表れたという。要するに、寝る直前はおろか、寝る6時間前であっても、カフェインを含むコーヒーやお茶を飲めば睡眠が阻害されることが明らかになったのだ。
また、この実験で採用された睡眠の測定の仕方にも特筆すべきものがある。彼らは、被験者が眠るときに睡眠測定器をつけてもらうとともに、各自に睡眠についての日記をつけてもらった。客観的なデータと主観的なデータの2種類を収集したのだ。寝る6時間前にカフェインを摂取した被験者は、測定器によると睡眠が1時間短くなった。ところが、睡眠に違いを感じたと日記に書いた被験者はひとりもいなかった。カフェインのせいで睡眠時間が物理的に短くなったというのに、その事実に気づかなかったのだ!それに、すぐに眠りについたとも思っていたようだが、測定器によると、レム睡眠と深い睡眠を繰り返す通常の睡眠サイクルには入っていなかったという。『SLEEP』(ショーン・スティーブンソン著)

飲酒しない
これは「よい睡眠」をとりたければ、前提となります。僕はうつをきっかけにほぼ酒を飲まない生活に切り替えました。それまでは付き合いを含めて週5日程度は飲んでいたのを寝酒を含めてやめました。
この習慣をやめられたのは、うつ病になったことが僕の場合は一番大きな要因でした。アルコールを飲んだ翌日の「沈み」がとにかくひどかったからです。日中はほぼ使い物にならず、ひどいときは寝る間際になってやっとまともに考えられるようになることもありました。
飲んでいるときの快感よりも次の日の苦痛が勝ったのでわりとすんなりやめることができたということになりそうです。
アルコールは寝つきがよくなるかわりにレム睡眠を阻害することがわかっています。ノンレム睡眠とレム睡眠が繰り返される正常な睡眠を阻害することがわかっているのですから、まず飲まないというのが前提になりそうです。
付き合いで必要な時は深酒しないと心掛けるところから始めてみてはいかがでしょうか? アルコールも大量に残っているとより影響が出てしまいます。

常にいいうんこが出ているか気にかける
メラトニンは脳内の松果体において生合成されることがわかっています。そして腸には脳の松果腺の400倍以上のメラトニンが存在することがわかっています。腸内の環境を整えることはメラトニンの生成において非常に重要だ、ということです。
メラトニンはもちろん快眠を助けてくれるホルモンのことです。このブログでは食事をした結果を常に気にしているとずっと言ってきましたね。結果というのはもちろん「うんこ」のことです。いいうんこが出ているときはいい食事をとれているときです。僕は痔で苦しんだこともあって柔らかさに特にこだわってきました。
腸と睡眠が切っても切れない関係になるとすれば毎日いたわってあげることが大切です。僕が食事で気をつけていることはこちらもどうぞ。

圏外 寝る前にスマホを見ないようにする
これは完全に実践できていないので次点扱いとしました。ただ最近は寝る前は紙の本を読むようにしています。
なぜスマホかと言えばブルーライトが問題ですね。ブルーライトは日中に分泌されるべきコルチゾールなどのホルモンの生成を促すことがわかっています。寝る準備をしようと言っているのに、活動する準備が整ってしまったらシャレになりません。
スマホやパソコンを寝る前2時間くらい完全にやめられればその効果をあなたにもお伝えできそうですが、今はなるべく紙の読書をする、というところにとどまっています。ここは徐々に改善していって、睡眠にどういう影響があったか僕の場合の感想をブログで報告したいと思います。
面白いと思ったらポチっとお願いします!↓
育毛・発毛ランキング


