前回、24歳のときにリーブ21に通って食事の仕方を根本的にあらためた、という話をしました。今日は僕がうつ病になってしまったときに再度食事を見直したので、そのことを書いてみたいと思います。うつ病になったときに頭皮の状態はどうだったのか、そのときの食事の仕方、生活はどんなものだったのか、また回復途上期にどんな食事をしたのかにふれました。
髪は「血余」と書きます。生活習慣の改善なくして髪の調子は上向きません!
●うつ病になったときの頭皮の状態は最悪でした
●乱れていた食事を再び和食中心にかえ、炭水化物の量を少し減らしました
●特に意識したのはタンパク質をきっちり摂ることと、余計な油を摂らないことです
いつのまにかこんなひどい食事に戻っていました……
僕は、当時とんでない残業をこなすゲキレツサラリーマンでした。うつ病になって結局退社することになりますが、直前の数ヵ月は夕飯を家で食べることは皆無でした。社内での業務のときは朝も昼も夜も外に食べに出ている余裕なんてありません。
品物を多く取れる「定食」なんて言っている暇自体がなくなってしまいました。
もちろん地獄の残業祭りが始まる前までは意識していました。
ところが時間がなくなってくると、手に持っているものが大抵パンになっていきました。
カップラーメンを大量に常備しておいたときもありますが、電話応対がのびると麺ものびるということを何度も経験してやめました。
せめてコンビニ弁当でも、というところですが、両手を使っての食事の時間がなかなか取れないという日が多くなってしまったのでこれもやめました。
パンです。
片手で食えて、飲み物で流し込めば、すぐに電話にも出られます。
夜ぐらいは定食を食べていた、としたいところですが、これも大抵パンです。
食事は一時的に学生時代に戻ってしまった感じです。
というか、それよりももっとひどいことになっていました。
しかも、連日の深夜残業です。
自分の中では完全に暗黒時代に突入した感じになりました。
もちろん、心も暗黒、体も暗黒、髪の毛も暗黒です。

彼女からこんなことを言われてしまいました……
当時僕は年下の彼女と半同棲のような生活をしていました。
その彼女に髪または頭皮のことで指摘されたことが2点ありました。
一つは、僕が「お前の髪のほうがよく抜けるんだからお前が掃除しろ」とわけのわからない理屈で掃除を押し付けようとしたとき、コロコロについた髪の毛を見せられて、「私は産毛が抜けることはないからあんたが掃除しろ」と言われたことです。
抜け毛で一番怖いのが髪のサイクルが狂ったために抜け落ちると言われている産毛とか軟毛の類ですね。
見せられたコロコロのシートには確かに産毛や軟毛が硬いしっかりした毛に交じってくっついています。
しかも、その数が全体に3分の1程度もありました。
これを見て、一時的に踏みとどまっていた髪のサイクルがまた悪化したらしいと感じました。
もう一つは僕の頭頂部に関する指摘で、いつも赤味があるというものでした。
このころはものすごいストレスでしたので、頭皮にかゆみを感じることが多くありました。
内臓のどこかに不調がある場合、頭皮に赤味がさすことがあるそうですね。もしかしたら、心だけではなく、体も変調をきたしていたのかもしれません。
ちなみに、ほてりを感じる、かゆみを感じるというのは、洗髪だけで200本の抜け毛を8カ月経験したときの前兆もこういうものでした。
うつ病になる直前には、産毛の抜け毛が勢力を拡大してきた、頭皮のかゆみが復活してきた、という明らかな悪影響があったということになります。
深夜残業を続けて、休みはほぼなし、食べているものは大抵パンでは、頭皮の状態が上向くはずもない、というところでしょうか。
また食事を見直しました
うつ病にかかってしまった僕は、そのあと、結局仕事をやめることになります。
その後の食事の仕方と関係のあることなので、うつ病になってしまった後に関してすこし補足しておくと、うつ病の診断を受けてすぐ医者にかかるのをやめました。
理由は次の3点です。
一応断っておくと、僕がこう考えたということなので、現に今、うつ病と戦っていらっしゃる方に対して、プレゼンしようなどという意図は毛頭ありません。
そうした方は信頼できるお医者さんを見つけてその人と一緒に治していくという方法が絶対に一番いいと思います。
あくまでも僕の場合ということで言えば、まず、薬自体の効果に疑問を持っていた、ということです。
薬だけで完治する人というのは5割あるかどうかというのが実感だという率直な見解をその医師から伝えられたことも判断に影響しました。
(だから昼夜逆転の生活を改める、お酒をやめる等が重要になってくるという話でした)
「会社は辞めることにしたので、そもそもうつ病になった原因をとりのぞけると思ったから」というのは、会社でうまくいかずに、うつ病になってしまったわけですね。
会社を辞めたわけですからとりあえずその部分では解放されるのでは考えました。
「食事のあとの気分の落ち込み」という部分に関しては、乱れてしまった食生活を、会社を辞めるまで完全に元に戻すことができていませんでした。
特に、炭水化物(パン)をドカ食いしてしまう悪癖の復活と、新しく会社で覚えてしまったケーキなどの甘いものを頻繁に取る癖です。
それと、たんぱく質の量が不足しているという事実もありました。
この部分をなんとかすれば、かなり違いが出てくるのではないか、そういう考えを持っていました。
炭水化物をドカ食いしたときの気分の落ち込みというのは僕の場合、頭にキリがかかったような感覚です。
何かを考えることがとても億劫に感じられて、ひどいときは床に寝そべったまま動けなくなるということもありました。
僕はまず炭水化物をなるべく控えることで、この食後の状態がどうなるか、人体実験をすることにしました。
肉や魚といったたんぱく質を必ず摂る、品目は多くとるというのが原則です。
特に気を付けたのが、GI値の高い食品をなるべく遠ざけるということと、食べる順番に気を付けるということです。
(GI値というのは食後血糖値の上昇度を示す指標です)
1日500gくらいは平気で糖質を取っていた日もあるところから段階的に引き下げていくという、ゆるやかな「糖質制限食」を実践した、ということになります。

僕の場合の着地点はこんな感じです
僕の心が回復してきてようやく「将来」について考えることができるようになったのは8カ月くらいたってからです。
その時の炭水化物の量はだいたいお茶碗3分の1くらいを一食で食べるかどうか、という程度でした。
白飯ではなく、玄米をお茶碗3分の1くらいです(今はお茶碗一杯くらいは食べます。玄米に押し麦を混ぜています)。
食事の基本は和食です。味噌汁、納豆などの大豆製品、根菜系の煮物・炒め物、イモ類、意識して取るようにしたタンパク質については魚が中心です。
ポイントとしては動物性のタンパク質をきっちり摂るということと油を摂りすぎないということです。
髪を作る酵素に必要な栄養素はタンパク質、亜鉛、ビタミンB群、ビタミンCだと言われていることから、タンパク質をきっちりと取るのは髪にとっても理にかなったことだと思います。
髪自体はタンパク質が主原料ですから、これをどう摂っていくかというのが一番のポイントになるわけです。
動物性のたんぱく質、特に赤身(豚肉、牛肉)に関しては、がんとの相関性の指摘が欧米でだされていますね。
そのあたりをどう考えるかは個人の判断ですが、僕の場合は、魚、肉を毎日しっかり取るというのが食生活の中心です(牛肉、豚肉も週で1~2回程度は口にします)。
注意点があるとすれば、加工肉の類は基本口にしない、ということです。
ベーコン、ハム、ソーセージなどですね。
添加物の類もなるべく口にしないようにしています。そもそも食品で補える栄養素をわざわざ体に負担が少なからずあるもので口にする必要はないというのが基本的な考えです。
油については今の日本はトランス脂肪酸が野放し状態です。蒸す、ふかすというのを調理の基本にしています。
サツマイモなどはふかして食べるのが何よりも一番おいしい食べ方です。
食事の基本は大豆製品、玄米を中心とした和食で、ポイントとしてはタンパク質をきっちりと摂るということ、油をあまり摂らないこと、というのが僕がうつ病になった後に意識したことで、だいたいこの考え方で今でも食事をしています。
量を極端に減らすような健康志向でもないですし、また極端な糖質制限のような特定の考え方に頼ったものでもありません。
運動を生活に取り入れたりして生活習慣も整えていき、頭皮の赤味はその後劇的に改善しました。産毛の量がさらに増えてハゲの道まで真っ逆さまということにも幸いにしてなりませんでした。
うつ病になるほどの心の状態になったときは僕の経験では頭皮の状態も最悪期となりました。
やはり、どんな状況でも生活習慣を整えていくことが心身の健康、髪の健康につながるとうのが結論になりそうです。
●会社は辞めることにしたので、そもそもうつ病になった原因をとりのぞけると思ったから(だから、回復できる可能性は高いと思った)
●食事後の眠気、気分の落ち込みが激しく、この部分はもう一度食事を含めた生活習慣を見直せば、回復できる可能性があると思ったから