運動するとハゲる! は神話? 早歩きの意外な効果について

 
 

僕は以前運動をするとハゲるというのはうそでむしろ積極的に取り入れたほうがいいということを書きました。

これは僕が20代後半からジムに行く習慣を持っており(今は中断中)、その結果髪の状態が上向いたという、実体験から来ています。

僕は父親がハゲ、父方の親戚は男性であればみんなハゲ、母方の祖父もハゲという華麗なるハゲ一族の出身です。

それが43歳になってもいまだハゲていない、という状態を維持しており、一族の変わり種になりました。

そういう事実も踏まえて運動とハゲについて改めて考えてみます。

今日は、僕の実体験に加えてお医者さんの意見をちょっと借りてみようと思います。

「運動→ハゲ!」

となぜならないか、仮説を立ててみます。
 
 

運動で前立腺がんの進行が抑えられた?

黒沢月男
運動するとテストステロンが分泌される。だからハゲるっていう理屈ですよね。
羽田三樹夫
テストステロンが5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロンに変わり、これに毛乳頭に存在する受容体が反応することで薄毛になる、というのがAGA(男性型脱毛症)の説明によく使われるからだな。
黒沢月男
テストステロンが増える→ジヒドロテストステロンも増える→ハゲになる!という恐怖の方程式が頭に浮かぶということですよね。そんな方程式が頭に浮かんでいたら、ダンベルなんてとても持ち上げられないです。
羽田三樹夫
説得力がありそうな説ではあるけど例えば、前立腺がんに関するこういう文章を参考にすれば、別の見方が出てくると思うんだな。

 
 

米国のハーバード大学から、運動をしている人は、前立腺がんの進行が止まるという画期的な論文が2010年に出されました。18年間2705人を追跡調査し、運動をしていた男性では、がんによる死亡率が54%とほぼ半分になることがわかったのです。運動とは、スローラニングやテニス、水泳などです。

私は、この10年間で82人の方に指導をしたのですが、1週間に3時間の運動を継続された方は、がんの進行が抑えられていました。また、がんが進行する兆候が出た途端に、早歩きを習慣にしてもらうと、その時点で進行が止まりました。
『人生を変える15分早歩き』(奥井識仁著)より引用

 
 

黒沢月男
要するに前立腺がんの経過が運動をすることでよくなったということですか?
羽田三樹夫
テストステロンがたくさん分泌されることで寿命がのびるっていうデータがあるくらい、テストステロンっていうのは生きていくうえでとても大事なホルモンだけど、前立腺がんができた場合は、テストステロンの値を下げる必要があるそうなんだな。
黒沢月男
それはまたなぜ?
羽田三樹夫
文章を引用した奥井さんの説明によると「がん細胞がテストステロンを利用して増殖するシステムを持っている」ということだそうだ。
黒沢月男
運動するとテストステロンが分泌されるわけですよね。
羽田三樹夫
そう。
黒沢月男
そうなると、この前立腺がんの経過がよくなったというのは説明が必要になりますよ。
羽田三樹夫
「がん細胞がテストステロンを利用して増殖するシステムを持っている」のに運動してテストステロンを増やしてどうすんだ!ってことだな。
黒沢月男
ただ調査の結果としては運動することで前立腺がんの経過がいいというのはわかっているんですよね。
羽田三樹夫
一応仮説としてはこういうことが成り立つそうなんだな。ちょっと長いけどまた『人生を変える15分早歩き』から引用してみよう。

 
 

早歩きをする人は運動をすることで、体が蓄えていたテストステロンが分泌されます。そして、足の筋肉は運動の疲れを取るため、言い換えると酸化ストレスを解消するために、テストステロンを必要とします。分泌されたテストステロンは、足の筋肉に移動してアンドロゲンレセプターに合体するので、文字通り消費されたわけです。すると、前立腺がんに行くテストステロンはほとんどなくなります、実際に早歩きを毎日1時間するようになった男性のテストステロンは、私のクリニックの調べでは、運動習慣前が50pg/mlから、運動習慣がつくと10pg/mlになりました。

 
 

黒沢月男
分泌されたものをうまく「消費」しているかどうかが重要だってことになるということですか。
羽田三樹夫
そういう「消費」の役割を運動が担っているんじゃないかっていう「仮説」ということだな。これってさっきの「テストステロンが増える→ジヒドロテストステロンも増える→ハゲになる!」という恐怖の方程式に対抗できそうな話だろ?
黒沢月男
「分泌されたテストステロンは、足の筋肉に移動してアンドロゲンレセプターに合体するので、文字通り消費されたわけです。すると、前立腺がんに行くテストステロンはほとんどなくなります、」の部分を「分泌されたテストステロンは、足の筋肉に移動してアンドロゲンレセプターに合体するので、文字通り消費されたわけです。すると、毛乳頭に行くテストステロンはほとんどなくなります、」とできるかもしれないということですね。
羽田三樹夫
「がん細胞がテストステロンを利用して増殖するシステムを持っている」にも関わらず、テストステロンを分泌される運動をして「がんの進行が抑えられた」ということだから仮にテストステロンがハゲに関わっていたとしても、参考にしていい考えた方であるはずだ。
 
 

日の光を浴びながらする運動がおすすめです!

羽田三樹夫
『人生を変える15分早歩き』を読むと、運動をすることで「乳がん」や「大腸がん」の死亡リスクも減るそうなんだな。説明に使われているデータを見ると抗がん剤よりはるかに有効になっている。
黒沢月男
まあハゲに対してだけは「運動が悪い」というのはどんな説明されても説得力は全然ないですね。
羽田三樹夫
このブログではついこの間、インターバルランニングを実践中だって話をしただろ?
黒沢月男
『ウォーキングの科学』の能勢博氏が提唱している「インターバル速歩」を参考にして、そのランニングバージョンを実践しているということでしたね。「インターバル速歩」をした中高年の体力が向上して、生活習慣病の症状が改善したというデータを見て、取り入れたということでした。
羽田三樹夫
電車を使ったときは、2駅か3駅離れた駅で降りてランニングしているとか、具体的なやり方も結構紹介したけど、ここに1日15分程度は「日の光を浴びて運動する」というのを付け加えてもいいな。
黒沢月男
お日様を浴びて運動することが大事だということですか。
羽田三樹夫
もちろん、浴びすぎるとよくないけど、冬の季節なんかは意識的に浴びる時間をつくってもいいかもしれない。例えばこういう文章を考えれば日の光を浴びてする運動と睡眠の関係も明確になるはずだ。

 
 

朝に日光浴をすると、体内時計を司る網膜と直結している脳の視交叉上核というところが光を敏感に感知して、メラトニンという物質を作ります。このメラトニンは、その日の夜に分泌され、快適な眠りを作ります。

 
 

黒沢月男
サラリーマンだったら、朝2駅分早歩きするなんていうのもありですよね。出勤時と昼休みに意識的に歩くようにするとか。
羽田三樹夫
今日もいつもの話を繰り返せば、結局AGA(男性型脱毛症)だって男性ホルモンと遺伝子が関わっているという荒いデッサンがやっと出来上がっただけでそのメカニズムが全部わかっているとはとても言えないわけだな。
黒沢月男
食事、運動、睡眠という生活習慣の乱れが顕著になってきてから明らかに薄毛率が上がったというのが毎度引用しているアデンランスの調査ですね。
羽田三樹夫
テストステロンが増えるとハゲるかもしれない、と考えて運動まで控えるのは、やめたほうがいいというのが今日の結論だ。おしまい!

 
 

 
 

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髪の悩み相談室登場人物
髪の悩み相談室室長・羽田三樹夫……24歳のときに洗髪だけで200本抜けるという恐怖体験を8か月経験する。そのときから生活習慣の改善に重点を置いた「薄毛にならない対策」をはじめる。父親はハゲ、父親の父親(=祖父)もハゲ、父親の兄(=伯父)もハゲ、母方の祖父もハゲ、父方の親戚にかつらの戦士がいるという「華麗なるハゲ一族」の出。遺伝を考えれば絶望的にかかわらず、42歳になった今でも「ハゲでない」状態をキープしている。
黒沢月男……30歳から生え際が後退しだし、ごまかしが効かなくなっている35歳。薬に頼るかどうか真剣に思案中。
雫まゆみ……旦那がずるむけのハゲ。旦那が育毛剤その他のヘアケア商品の購入のためだけに金を使うのでそのことでしょっちゅう喧嘩をしている。ハゲを見るだけで最近気分が悪くなる。